2011年5月20日金曜日

書評:偽装国家―日本を覆う利権談合共産主義

3.11の前と後で、この本の読み方は180°変わってしまった。
私は今まで世界各国に特派員として取材に行きましたが、こうした現象がどういう国で見られるかというと、発展途上国、それもドロドロの汚職まみれの国です。マルコス政権下のフィリピンとか、そういう国で見られた光景です。つまり、革命はもう起きないんです。起こす力もない。だったら権力の末端にしがみついて、そのおこぼれに与ろうという縁故主義なんです。日本はそこまで落ちてしまった。

偽装国家―日本を覆う利権談合共産主義 (扶桑社新書)
勝谷 誠彦
扶桑社
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勝谷誠彦氏のことを何かエンターテイナーのように思っていた自分がいたことを告白する。あれあれで、とにかく日本の暗部に、チャイナに、田嶋陽子に噛みつき絡みまくるある種の芸風なんだと。でも甘かったと素直にそう思っている。凡人が天才勝谷誠彦のブッ飛んだ感性にシンクロするには3.11級のショックが必要だったのだ。

それにしても、よくこれだけの「偽装」を並べ立てたものだ。しかも、これだけでは飽きたらず新書をもう一冊出版している。そして、これらが伊達でもネタでもなくて、私たちの暮らす日本の姿で、私たちの生活の問題なんだということをもう一度はっきりと認識しておきたい。


同書目次
  1. 第1章 建前が綻び始めた「偽装国家ニッポン」
    • ①「偽装繁栄」―その影には労働実態偽装とサラ金破産者が
    • ②「偽装改革」―選挙が終われば郵政造反組復党の茶番
    • ③「輿論偽装」―民主主義の根幹を揺るがす「やらせ」
    • ④政治家&官僚/メディア/愚民「バカの三位一体」
  2. 第2章 相次ぐ「偽装事件」の発覚
    • ⑤「耐震強度偽装」―姉歯&ヒューザーは氷山の一角
    • ⑥「履修単位偽装」―学校も教育委員会も大学もみんなグル
    • ⑦「病気腎臓偽装」―ほかで使える腎臓ならなぜ本人に返さない
    • ⑧「食肉偽装」―ハンナンの助成金詐欺、協畜の"裏ポーク"脱税
    • ⑨「ライブドア粉飾決算」―ホリエモンに群がった「粉飾選挙」の面々
  3. 第3章 「利権談合共産主義」の末期的症状
    • ⑩「偽装公務員」―給料もらって長期休職、メスが入った同和利権のタブー
    • ⑪「偽装組合」―権利より利権を守りたい自治労
    • ⑫「年金免除偽装」―社保庁の偽装工作を叩いて済む問題ではない
    • ⑬中立公正を偽装する談合メディアの大罪
  4. 第4章 隠蔽とごまかしで危機的状態にある安全保障
    • ⑭「偽装観光客」―対馬を浸食する韓国人プロ釣り師の実態
    • ⑮「竹島問題」―漁船トラブルの訴えを外務省「位置関係を確認してから」
    • ⑯「テポドン報道」―MDと敵基地先制攻撃論を混同する朝日
    • ⑰「非核偽装」―非核三原則の「持ち込ませず」は形骸化
    • ⑱「偽装軍隊」―偽装の"非戦闘地域"へ派兵されたサマワ自衛隊
  5. 第5章 「偽装国家」から「実質国家」へ
    • ⑲施策者責任―役人にも「トレーサビリティ」をつけよ
    • ⑳国民の消費行動を"善導"する税金の「二重基準」構想
    • ㉑「いじめ偽装」―いじめは"虐め"。暴行恐喝を言い換えでごまかすな
    • ㉒矛盾の権化=「偽装憲法」を今こそ見直せ

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